今回は英単語帳『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』について紹介したいと思います。
まず、単語帳のタイトルを見て目につくのは「東大」という2文字。これを見て、自分とはレベルが遥かに違うと思い、中身も見ずにその場をスルーする人は多いと思います。
確かに『東大王』で有名なクイズプレイヤー、水上颯さんもこの単語帳を使っておられました。
でも、この単語帳は東大だけでなく、それ以外の難関大学にも対応しているとても良い単語帳だということを分かっていただきたく、その良い点や使い方などをまとめてみました。
目次
簡単な単語から難しい単語までカバー
例えばセクション1には、essential (重要な、本質的な)、count(数える、重要である)、stress(強調する、ストレス、重点)など簡単な単語がある一方で、セクション50にはimperative (必須の)、coherent (首尾一貫した)proliferate (急増する、繁殖する)などといった難単語が記載されています。
ここでポイントとなるのが、簡単な単語についても様々な意味や派生語が記載されていたり、難単語については全く読解に出ないものばかりではなく、「出る単語」を厳選してあります。
私も、センター試験レベルではそこまで難しい単語は必要なかったのですが、2次試験対策では多いに役立ちました。
分野ごとに分類されたセクション
単語を長期にわたって記憶に残すためには、個々の知識を関連付け、大きな枠組みの中に位置づけていく必要があります。
人間の脳は、バラバラに羅列された情報を記憶することはできないからです。
そのため、この単語帳は「adc 順」や「出る順」に単語を記載することを採用せず、なるべくそれぞれの単語を関連付けられるように各セクションごとに決まった分野の単語が記されています。
セクションの例としては、
- 金・経済
- 言語・文学
- 時間
- 医学・化学
- 自然・環境
などといった具合です。
同セクション内の単語を関連付けて覚えれば記憶は保持しやすく、忘れてしまうことを防ぐことができるでしょう。
覚えにくい単語にはイラストあり
開いてみると分かるのですが、この単語帳にはところどころにイラストがあります。
単語を記憶する上で重要なポイントの1つは「イメージ化」することです。
単語の意味を丸暗記するよりも、核となるイメージを頭に叩き込んでそれを文章に応じて使い分けした方が、リスニングや読解の際のレスポンスが確実に速くなります。
また、人間の脳は文書よりも図やイラストといったものの方が覚えやすいという研究もあります。
『鉄壁』には割とインパクトのあるイラストが多く、とても記憶に残ります。
各セクションごとに確認問題あり
これは他の単語帳と大きく違う点だと思います。
各セクションの最後に「使える単語」にするために、対義語・同義語の確認、出てきた単語を使った短文の正誤判断、空欄に入る単語を選ぶ問題などが記載されています。
覚えた「つもり」を防ぐには絶好の問題となっています。
その確認問題の合格点を超えなければ次のセクションに進めず、もう一度そのセクションを勉強するようになっています。
別売のCDあり
別売のCDもあります。
3200円+税と少しお高めですが、中には6枚ものCDが入っています。
音声は、見出し語 → 見出し語和訳 → 見出し語 → 例文 の順に流れます。
英語に限らず、勉強においては五感を使って覚えるということが大事になってきます。
また、発音記号は単語帳に書いてあるのですが、実際に聴いてみないと分からないということもあるでしょう。
通学時間など空いた時間を有効活用して繰り返し聴くことで、ネイティブスピーカーの発音、単語、例文が身につくでしょう。
デメリットは?
このようにたくさんの良い点があります。しかし、良い点がある一方で多少の難点はあります。
ページ数
まずはページ数です。
たくさんの単語や熟語があり、解説も丁寧なゆえに全部で660ページほどあり、一周するのにとても時間がかかります。
この厚さだと初めての単語帳には適していないと思います。
次々とわからない単語が出てきて、途中で挫折してしまうことにもなりかねません。
したがって、比較的薄い単語帳を覚え込んだ上でこの単語帳に入れば、知っている単語も多くあり、知らない単語のみを覚えることとなり、学習がスムーズに進むでしょう。
値段
また、値段も2100円+税 と他の単語帳に比べて高めです。試しに買ってみようと思う価格ではないと思います。
しかし、冷静に考えてみるとこの単語帳は単語だけでなく、熟語も記載されています。
単語帳だけでなく熟語帳も欲しい人の場合は2冊買わなければならないので、この単語帳を1冊買う費用とそれほど変わらなくなると思います。
この単語帳の使い方
この単語帳の使い方については大きく分けて2パターンあると思います。
コツコツと進めていく
まずは、コツコツと1セクションずつ勉強していく使い方です。
この使い方は、地道な作業が好きな方におすすめです。
例えば、1日1セクションと決めて、音読や赤シートで隠して覚え、覚えたら各セクションの終わりの確認問題でテストします。
ここで、注意してもらいたいのが、この単語帳は全部で50セクションあるので、1日1セクション進めるとしても50日もかかってしまうということです。
したがって、受験を直前に控えた方にはおすすめできません。
さらに、適宜必要に応じて前のセクションの復習を行うことです。これにより、50セクション目が終わったとき、それ以前のセクションの内容を忘れてしまっているということを防ぐことができます。
復習のやり方については、見るだけでも十分効果があると思います。
その日のセクションをやる前にその前のセクションをパラパラめくって見ると良いと思います。
こうすることで、1回の復習時間は短いですが、50セクション目が終わる頃には1セクション目を50回以上も見ることになります。
50回も見て覚えられないということはありませんよね。
しかし、さすがにその前のセクションを全部復習するのはパラパラめくるだけといっても時間がかかると思うので、「今日は1~10セクションの復習」「明日は11~20セクションの復習」などと範囲を決めて復習をしてから、その日のセクションに取りかかるといった具合に工夫してみてください。
最初にパラパラとめくっていく
上の地道に進めるやり方が苦手な人には、最初の何日かでパラパラとめくって知らない単語に付箋をつけ、それらを中心に勉強していくというやり方があります。
この単語帳に取り組む前に他の単語帳をやっていれば、知らない単語ばかりということにはならないと思います。
ここでも注意してもらいたいのが、時間があれば分かる単語も勉強したり、セクションの終わりの確認問題にも手をつけてほしいということです。
意外と、分かる単語にも知らない別の意味や語源が書いてあったりしますし、問題で確認することではじめて「使える」単語になるからです。
付箋を貼った単語も完璧に覚えたらはがして良いです。徐々に付箋が減っていくことに達成感も感じるでしょう。
他にもこの単語帳自体を辞書代わりに使って、出てきたときに付箋を貼ったり、書いてないことをメモしたり、色ペンやマーカーで強調したり、イラストに落書きをしてさらに覚えやすいようにしたりと様々な使い方があります。
ぜひ、自分だけの「鉄壁」を作り上げてください。
まとめ
この単語帳についていろいろと知って頂けたでしょうか?この記事で、この単語帳は良さそうと思った方は、ぜひ検討してみてください。
また、こちらの記事では英語全般についての勉強法をご紹介しています。
『鉄壁』はこちらでもご紹介しています。
余談ですが、試験会場に持っていけば、周りの人を驚かす効果もあります。それでは、勉強頑張ってください!
コメントを残す