脱・計画倒れ!勉強のためのスケジューリング術と、タスク管理法GTDとは?

スケジュール管理

学校の受験勉強や資格試験の勉強など、なにか目標がある皆様は日々努力して勉強をしていらっしゃると思います。

でも、目標にもよりますが、ただガムシャラに勉強していても目標達成は難しいかもしれません。

勉強もやはり効率が大事ですし、その努力の先に成功が見込めなければモチベーションも湧いてこないものです。

今回は、勉強をより効率的にし、そして先の見通しも立ちやすくするために必要な、スケジュール管理とタスク管理の方法について考えていきたいと思います。

何に時間を使うべきか

1日は24時間、と限られています。
「もし一日が30時間くらいあればよかったのに」なんてことを言う人もよくいますよね。
個人的には、もし一日が30時間あったら、その分人間がやらなければならない仕事や勉強が増えると思うので、結局堂々巡りだと思っているのですが……、ともあれ、時間はいつも足りないものです。

私達は24時間の中で睡眠、食事、入浴を行う必要があり、それ以外の時間で勉強や仕事を行わなければなりません。

そのため、その24時間の使い方を考え、無駄を省いていく必要があります。

逆カレンダー

ここで、まず無駄な時間を省いていくためにご紹介するのは、バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。の著者、鈴木琢也氏の提唱する「逆カレンダー」です。

彼は元々、偏差値30程度の県立高校出身の所謂ヤンキーだったわけですが、その後、とび職や専門学校を経て、最終的にカリフォルニア大学バークレー校という、アメリカ州立大学でも1, 2を争う名門校に合格を果たしたという、努力の人です。

この逆カレンダーでは、まずスケジュールを先に立てるのではなく、一日を過ごしてから実際に過ごしたそのスケジュールを書き出すのだそうです。

鈴木さんの場合はこれをGoogleカレンダー上で行い、色分けしたそうです。
そうすることで、自分の一日の中で無駄な時間がハッキリ分かるようになり、学習時間を確保するのにとても役立ったといいます。

速読と飛ばし読み

また、実は無駄が多いのは参考書や教科書をじっくり精読すること。精読にはやはり時間がかかりますから進みが遅いですし、そうすると勉強することが嫌になってきてしまい、挫折してしまうかもしれません。

かと言って、「速読」と聞くとハードルが高いと感じてしまう人もいるでしょう。

でもそんなことはなく、雑誌を読むときをイメージしてもらえればオーケーです。

雑誌を読むときは、自分の興味のあるところだけを読んだり、ざっと飛ばし読みをしたりすることも多いと思います。

参考書などもそれで大丈夫で、スピーディーに飛ばし読みをすれば全体の構成や大体の内容を理解することができます。

これであれば、本を一周することにあまり時間はかかりませんから、何周もすることができ、繰り返し読むことは復習になりますから、読めば読むほど記憶は強固になっていきます。

速読についてはこちらもご参照ください。

学習効率を上げる速読とその方法

復習のウェイト

さて、このようにして一日の中で無駄な時間を削減していって、勉強時間が確保できるようになってきたところで考えたいのが、見出しの通り復習に割くべきウェイトについてです。

当サイトでも何度かご紹介しているエビングハウスの忘却曲線を見れば分かるように、人間は時間が経てばすぐに覚えたことを思い出せなくなってしまいます。

だからこそ、復習を行って記憶を強固にしていく必要があります。
せっかく一度覚えても思い出せなくなってしまっては、覚えるために費やされた時間が無駄になってしまいます。

そのため、効率的に勉強を進めるためには、むしろ復習にウェイトを置いたほうがかえって無駄が少ないということになります。

忘却曲線については、こちらの記事もご参考になさってください。

忘却から考える、効率の良い記憶方法と勉強術

GTDでタスク管理

とは言え、復習ばかりしていても新しい知識を増やしていくことはできませんから、新しいことを学ぶ勉強も必要になってきます。
そして新しいことを学べば当然、復習しなければならない内容も増えることになります。

そうなってくると、やらなければならないことがどんどん増えていき、手が回らなくなって目が回ってしまうかもしれません。

そんなときにオススメしたいのが、GTDというタスク管理方法です。

GTDとは“Getting Things Done”の略で、生産性向上に関する権威であるアメリカ人デビッド・アレン氏の提唱するメソッドです。

これは元々、ビジネスマン向けのタスク管理方法なのですが、学生を始めとした勉強をする必要のある人々にも有用な方法であろうと思いますので、ここで紹介します。もちろん、普段の仕事や生活においても利用することができますのでご活用ください。

InBox

GTDにおいてはまず、「やりたいこと」「やらなくてはならないこと」をすべて書き出します。今回は勉強についてですから、「2018年度の過去問を解いてみる」とか「微分方程式を解けるようになる」「昨日の復習をする」などなど、自分の勉強する必要のあることの中から具体的なタスクを思いつくままに挙げていきましょう。

これらタスクを書き出したら、一括でInBoxと言われる場所に集約しておきます。これは、紙でもいいでしょうし、電子的なツールでもいいでしょう。

また、GTDの目的には「頭の中を空っぽにする」ということがあります。
これは、「これをやらなければならない」「あれが不安だ」「いつかこうしないと」などを考えることから脳を解放するという目的があります。

そのため、自分が勉強しなければならないことを教科書の目次などを見ながら全て網羅しなければならない、と考える必要はなく、自分の頭で思いつく範囲でよいのです。
今後やらなければならないことを思いついたら、適宜InBoxにタスクを追加していきましょう。

InBoxの処理

InBoxにタスクを収集したら、今度はそれらを「処理」する必要があります。

「処理」とは収集されたタスクを分類していくことです。

GTDでは次のようなリストを作って、それらに各タスクを分類していくことになります。

  1. InBox
  2. 次の行動
  3. いつかやる
  4. プロジェクト
  5. 連絡待ち

まず、各タスクについて、「そもそも実行可能か?」を考えます。
実行可能なものは「次の行動」リストに入れておきます。

また、例えば「計算ミスをなくす」というタスクは、よくよく考えると不可能です。人間はどうしてもミスをする生き物なので、ミスを完全になくすことは不可能です。

実行ができないことについては、やることを諦めてしまうか、内容を改善するか、「いつかやる」というリストに入れておくか、あとで思い出したいならば日を決めてカレンダーに記入しておくか、どれかを行っておきます。

この場合であればすっかり諦めてしまうわけにも行きませんから「計算ミスを減らす」という項目に改変する、というのが妥当なところでしょうか。

また、次にやるべきことはなにかを考える必要があります。これは具体的なステップに落とし込むということです。

上述の「計算ミスを減らす」であれば、このままでは具体的な行動になっていないため「〇〇という問題集を解いてみる」とか「計算ミスの減らし方を調べてみる」などの、具体化が必要ということです。
できたタスクは上述の「次の行動」リストに入れることになります。

しかし、もちろん一冊問題集を解いたところで、それで以て「計算ミスを減らす」ことが完了したとは言えないかもしれません。
そのため「計算ミスを減らす」というタスクについては、次なるステップが必要になります。

このように2ステップ以上の含まれるタスクについては「プロジェクト」というリストに入れておく必要があります。

「連絡待ち」については、今回のような勉強に関するタスクの分類においてはあまり必要のないリストかもしれません。
が、なにか模試などを受けて、その結果が帰ってきてからやる必要のあることなどがあれば、ここに入るでしょう。

次の行動

さて、InBoxの処理が終わったらどうするか。先ほどのリストを見てましょう。一目瞭然ですね。……そう、「次の行動」を見ればよいのです。

「次の行動」のリストを一つ一つ検討します。その際に、まず考えるべきは「二分以内にできるか」です。
これは読んで字のごとしです。先ほど挙げた「計算ミスの減らし方を調べてみる」などは二分でできるかもしれません。

では、二分でできるものはどうするか?

今やるのです。

なにせ二分ですから、即座にやってしまうのが得策です。それをいつやろうか、とか、それをどこに記録するべきか、とか、そもそもまさにこの「二分でできるものはどうするか?」について書いたり、とかという時間と手間がもったいないので、その場でやった方が圧倒的に早いのです。

これに関しては、先ほどの「処理」の段階で「次の行動」リストに分類する前に、その場ですぐやってしまったほうが良いかもしれません。

カレンダー

これについても、あまり勉強に関しては使わないかもしれませんが、特定の日にやる必要のあるタスクがあった場合に、カレンダーに記入するということです。

しかし、これについては何かの締切や期限などをもとに、例えば四月中にあるテキストを終わらせようと思っていた際に、その末日のカレンダーに「〇〇を終わらせる」などと書いてはいけません。

あくまで「特定の日にやる必要のある」タスクだけです。
そうすることで、カレンダーが薄められなくなり、必然性のある「何月何日に〇〇をやる」という項目がよりくっきりと明確になります。

日時に必然性のないタスクはあくまで「次の行動」に分類して、適宜進めていくようにしましょう。

週次レビュー

さて、このようにタスクリストを作り、「次の行動」を一つ一つ進めていくわけですが、一つ非常に重要なプロセスがあります。それが「週次レビュー」です。

この際に行うべきことは以下の二つです。

  • InBoxへの項目の追加
  • リスト全体の見直し

InBoxへの項目の追加は、そのままですが、GTDの目指す「頭の中を空っぽにする」という状態の達成・維持のためには非常に重要なプロセスであると言えるでしょう。

リスト全体の見直しでは色々と行うべきことがあります。

たとえば「次の行動」がなくなっていないか、「いつかやる」のタスクは「次の行動」に移す必要はないか、「プロジェクト」のタスクは具体的なステップに落とし込めているか、それは次の行動に追加されているか……などです。

これらのプロセスを行うことでGTDを回し、するべき勉強を消化していくことになります。

まとめ

さて、今回は勉強についてのスケジュール管理からタスク管理方法までを解説いたしましたが、いかがだったでしょうか。

勉強について、と銘打ってはありますが今回ご紹介した方法論は、勉強以外にも使えるものですので、どうか活用なさってください。

よろしければ以下の記事もご参照ください。

無駄を省いて大きな成果を!勉強の効率を上げたいときのコツ8選!

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