目で見るだけじゃ損!五感をフルに活用した記憶術とは?

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突然ですが、五感の中で最も記憶に結びつきやすい感覚はどれだかご存知ですか?

普段、私達は視覚での情報を主な頼りとしていますから、視覚ではないかとお思いになるかもしれませんが、実は記憶との連動が最も強い感覚は嗅覚です。

嗅覚以外の感覚、視覚・聴覚・触覚・味覚は、大脳新皮質と呼ばれる部分を通ってから前頭葉へと運ばれますが、嗅覚だけはダイレクトに前頭葉へ運ばれます。
その影響で、嗅覚は記憶との結び付きが非常に強く、長期間残ることで知られています。

ということで、普段は視覚に頼りがちな勉強ですが、嗅覚を始めとした他の感覚を活用した記憶術についてご紹介していきます。

五感の刺激とエピソード記憶

人間の記憶の種類の中にはエピソード記憶というものがあり、これは自分の体験を通じて何かを記憶する仕組みです。

実は、大人になればなるほどこの「エピソード記憶」の方が単なる丸暗記的な記憶、「意味記憶」よりも優勢になってくるため、匂いや音などで記憶している時の印象を脳内に焼き付けるのは効果的と言えるでしょう。

そのため、単に見たり聞いたりしたことを覚えるだけでなく、それを勉強したときのことを思い出すことによって、それから転じて必要な情報にアクセスして思い出す、といったやり方も有効でしょう。

記憶のメカニズムから考える暗記の秘訣!エピソード記憶のススメ

嗅覚を利用した記憶術について

ではまず、記憶に結びつきやすい嗅覚の利用について考えてみましょう。

例えば、重要な事項を覚えた時に何かの匂いを嗅いでみる、ということをしてみます。
すると、その匂いを嗅ぐとその時に記憶のイメージができるようになります。

では、試験中にその匂いを嗅いだ場合にその覚えた事柄がありありと蘇ってくるか……というと、残念ながらそうはならないでしょう。

何故なら、匂いによって想起される記憶は感覚的なもので、概念的なものではないからです。

嗅覚以外の感覚が通る、大脳新皮質は合理的で分析的な思考や、言語機能をつかさどるとされており、逆に言えばそこを通らない嗅覚は、もっと直感的な記憶との結び付きが強いということになります。

そのため子供の頃の思い出などを思い出すことには向いていても、勉強した何かを思い出したりすることにはあまり向いていないのです。

とは言え、その勉強したときの感覚、エピソード記憶を思い出すことで、間接的に覚えた事項についても思い出しやすくすることは可能かもしれません。
匂いの強い消しゴムなどを備えておき、いざという時にはその匂いを嗅いでみる、なんて方法も有効かもしれません。

香りを勉強に活かす方法については以下の記事にて詳しくご説明しています。

好きな香りに囲まれて勉強!集中力・記憶力UPする精油はどれ?

聴覚を利用した記憶術

これは非常にメジャーな方法でしょう。

何かを暗唱したり、文章を音読したり、英単語を実際に発音してみる、などというのは発声することによって覚えるというよりも、それを聞くことで聴覚に訴えて、記憶する一助にしているという面が強いと言えるでしょう。

或いは、音楽をかけるという事を利用できるかも知れません。

何か特定の音楽をかけることで、エピソード記憶の印象を強め、より保持されるよう補強することによって、思い出しやすくするというやり方は有効と言えるでしょう。

触覚・味覚を利用した記憶術

残る感覚は味覚・触覚です。

味覚に関しては利用は難しいかもしれません。味覚をトリガーにすることは再現性の面で厳しいものがあるでしょう。

エピソード記憶を補強する、という意味では有用性があるかもしれませんが、これに関しては意図的にやるというよりも、偶発的に「そう言えばあの時はあれを食べていたなぁ…」なんて思い出すような種類の感覚のように思われます。

或いは「レコーディング勉強法」における記録項目の一つとして「その時に食べていたもの」を追加することで、積極的に活用していく方法は有効かもしれません。
レコーディング勉強法についてはこちら。

効果絶大!レコーディング勉強法とは?

そして、触覚についてはいわゆる「書いて手で覚える」がこれに当たるかもしれません。

ただ、これに関しては個人的には非常に懐疑的で、何回も書いたところで「その感覚を手が覚えて、感覚を元に試験でも書ける」というようなことは、あまり経験がありません。

一方で「書く」ということ自体は勉強法としては有効と考えられます。
書くということは、自ら意識的にアウトプットする行為ですから、どこを間違えてはならないか、どうするべきなのか、といったところに意識が行くため、自分で書いてそれが適切かどうか確認するという作業は、触覚での記憶とは別の意味で、必要と言えます。

まとめ

ということで今回は、視覚以外の五感を利用した記憶術についてご紹介していきました。

五感と知識の直接的な結びつきだけでなく、それを勉強したときのエピソード記憶を補強することによって、思い出す一助とする方法もご説明しました。

ただ目に頼るだけでなく、五感をフル活用して勉強をした方が、記憶の面で有利なだけでなく、勉強のいいアクセントや刺激となるかもしれません。

(参考)
ログミーBiz | 匂いが記憶を呼び起こすのはなぜ?嗅覚と脳のつながりから解き明かす

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