資格試験の経験者に聴く勉強法!中小企業診断士編 その2〜対策編〜

中小企業診断士

「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格」の1位に輝くなど、いま人気の資格「中小企業診断士」。

今回はこの資格の試験対策について、まとめてみました。

中小企業診断士の資格や試験に関する概要はこちらの記事をご参照ください。

資格試験の経験者に聴く勉強法!【中小企業診断士編 その1〜概要編〜】

どのようなテキストを使うべきか

筆者も経験がありますが、試験対策は忙しい業務の合間を縫った細切れ時間でも行いやすいように、細かく科目やテーマに分けて、授業なども含めて分かりやすいテキストが多数出版されています。

一般的に、著名な資格試験スクールのものであれば、大概の領域が網羅されています。

1科目1冊タイプのものであれば、経済学や簿記会計など全く業務経験や学習経験がない方でも、ゼロから試験直前までをカバーした教材が多くあります。

業務経験がある方や、似たような科目から構成されている試験の受験経験者であれば、全科目が1冊になったタイプのものや、試験問題とよく似たタイプの問題が多数入っている模試タイプのソフトウェアやアプリケーションなどを使うと良いでしょう。

一次試験の対策

企業に勤務しながら受験勉強している人が多いことを配慮して、通勤時に便利なハンディータイプのインプット用書籍教材なども豊富に出版されています。

基本的に多肢選択式で且つ意地悪な問題が少ないことから、テキストを1冊丸ごと暗記するだけでも一次試験の合格圏に到達することは可能です。

但し、後に控える二次試験での口述試験では、全ての範囲の用語を正しく使いこなせることが必須となります。

各種の資料などが目の前に提示されていなくても、生産工学や企業経営、経営分析などで使う知識や情報に関しては、即座に頭の中でイメージできる必要があります。

1年で一次試験7科目全てに合格しようと考えている場合

一次試験と二次試験の日程は、他の試験に比べては比較的余裕があると言われています。

しかし、一次試験の終了を待ってから二次試験対策を始めては、他の受験生と比べるとかなりの遅れをとってしまいます。

通常、全くゼロから学習をスタートする方において、1度の受験で最終合格までを目指す場合、学習期間は約1年3ヶ月程度に設定されていることが多いようです。

学習開始して3ヶ月程度までの間に、7科目すべての用語や図表、理論等のインプットを完了させ、それと同時に1度目の過去問題の演習を1サイクル回しておけることが望ましいです。

その後で多肢選択式対策に関しては、繰り返し過去問題を解くことに加えて、予想問題を数多くこなす事がポイントです。

ほとんど全ての科目で、各科目の一次試験用問題集を完全に解き切れているようなら、2ヶ月に1回ほど全体解き直すようにすればOKでしょう。

試験の直前期になったら勉強の軸を一次対策に切り替え、時間を測りながら本番の時間配分で練習します。

直前期には、中小企業診断士試験の直前対策講座において模試なども開催されているので、予想問題の収集がてら模試だけを利用することもあるようです。

二次試験の科目や内容

二次試験は、筆記試験と口述試験に分かれています。

筆記形式では1日の中で、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例を4科目受験。

口述試験は、筆記試験の合格者が個別に指定され、的確な指摘事項等のチェックが厳しい試験です。

口述試験の約1週間後、年内には最終合格者が発表されます。

二次試験の対策

基本的に中小企業診断士試験は、二次試験対策をメインに据え、一次試験はそのための基礎力確認のような位置づけで対策を進めるべき試験です。

二次試験は経済・経営学や経営法務等の基礎知識の論述問題と、診断実務関連科目の出題になるため、各図表や分析する際の切り口といったものに関しては一通り知識として定着させておかなければなりません。

基本的に二次試験は、企業経営理論、運営管理、財務会計をメインとしています。

その年の出題によっては、7科目の中のどこから出るか分からないといったようなケースもあります。
最近は作問者によって問題の出題配分や傾向が異なっていることもあります。通常、1人で学習しているとなかなか知り得る情報ではないですよね。

また、実はこの二次試験、なかなかの曲者で。

中小企業診断士の二次試験は、他の国家試験とは違い毎年の試験の模範解答が公表されません。

そのため、二次試験合格に際しては、有名な中小企業診断士の講座を持つスクールの受講が必須ではないかと考えている人も多いようです。

実際のところ、中小企業診断士の二次試験対策には、記述した答案の添削をしてくれるスクールの授業を受けるのは非常に効率が良くてオススメです。

他の試験とは異なり、本試験の段階で、実務に対応するに十分な知識や論理展開ができるかどうかが、比較的注目されやすい試験とも言われています。

実務においてコンサルティングやカウンセリングなどを行っている方や他の資格との兼ね合いでその点をカバーできる方であれば、スクールの授業を受けなくても良いかもしれません。

司法試験などに比べれば、実務的でかつ論理がきちんと通っていること、またテストらしい想定も含めた文章の書き方などができていれば、記述式でも比較的合格がしやすい試験だと言われています。

ですが、その年その年のトレンドの問題や、これまで出題はされてこなかったものの出題可能性が高い分野の問題を知るためには、直前の対策あるいは苦手科目対策のためにスクールに通うことはオススメかもしれません。

独学者向けの勉強方法

独学で学ばれる方にオススメしたい、二次試験対策の問題集として挙げられるのはTAC出版から発売している『スピードテキスト・問題集』と『ふぞろいな答案シリーズ』です。

参考 スピードテキスト・問題集 参考 ふぞろいな答案シリーズ

また、実務で会計業務に触れることがない方に向けて、税理士試験や公認会計士試験の受験者・受験経験者には有名な、『意思決定会計講義ノート』の通読と活用もオススメです。

参考 意思決定会計講義ノート

全般的に二次試験の論述中では、普段あまり用いない会計処理の方法なども出題されます。

日商簿記1級程度のレベルのもので、各種試験でしか用いないようなものを中心に一通り押さえておくのは、近年では鉄則となっています。

他に、論述に関しては通読によって主に対策を行いたいと言う方向けに、試験委員会の担当者が出している書籍等を読み込んでいくという方法もあります。

物の考え方等に関して、非常に興味深い読み物でもありますので、こちらもオススメです。

他にも長年開講されている中小企業診断士講座などがありますが、一般的には二次試験記述や口述の直前期を、本コースとは別に持っているスクールの指導は比較的ハイレベルです。

二次試験の口述試験について

二次試験の記述試験は約2ヶ月後に合格発表がなされ、それから約1週間に二次試験の口述試験が行われます。

余裕もプレッシャーも感じられるのが、口述試験の合格率が99%以上であると言う点でしょう。

それゆえ万が一、二次の口述試験で一度不合格になってしまうと、来年以降モチベーションを保つのが難しそうですね。。

基本的には、二次の記述試験で出題された内容とほぼ重なる範囲で、簡単で模擬的なコンサルティングの質疑応答が中心です。具体的には、現在の勤務している業界や分野、どういったタイプの業務分析を行うかなどを質問する試験担当官が多くいます。

その分、ベテランであれば、ある程度余裕を持って受けられる一方で、中身に関してはあまり手抜きができません。

一切の知識がなく資格試験だけを目指してきた受験生、あるいは業務経験があまり多くない受験生では、自らが行うタイプの分析に関連した用語や知識について、かなりしっかり復習と定着をさせておく必要があります。
筆記試験の事例をまずよく読み直し、自分の解答も含めて理解し直しておきます。

その上で、各予備校が公開している模範解答例や、口述試験の予想問題集をインターネットなどで入手しておき、これをベースに今回の出題範囲に照らして、口頭で答える練習を行いましょう。

この模範解答や予想問題集は、完全に無料で、メールアドレスをウェブから入力するだけでダウンロードできるところも見受けられます。
TACや資格の大原など各所から配布されていますが、あまり手を広げすぎなくても大丈夫そうです。

それよりは、聞かれた内容についてある程度しっかりとパターンを活用して正しく答えることが重要視されています。
出題内容に対応して簡単な商圏や顧客の特徴や、業界内の強みや弱み、業務において改善が図られるべきポイント等について、記述試験のセオリーに沿った形で回答しましょう。

まとめ

今回は中小企業診断士試験の学習のポイントについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

出題科目を全て資格スクールで学ぼうとすると、労力と金銭的コストがかなり必要になるテストではありますが、既に社会でいろいろな業務経験を積んでいれば、ある程度自然と身についている部分があるでしょう。

また、経済学や経営学など、学部の試験や公務員試験対策などとも重なる部分がかなり多くあります。
全体的に資格スクールの教材はテキスト量も多く、映像授業にしても全くの初学者以外は割愛して良い部分というものが非常に多くあります。

スクールを通して学ぶ際には自分の苦手な科目だけに絞り、それ以外に関しては市販されている書籍などを中心に学習スケジュールを組むと、労力の上でも時間そして費用の上でも効率良く学習を進められるでしょう。

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