大学受験、資格試験、仕事のための勉強などなど、人生をより良いものにするためには日々の勉強は欠かせません。
学生時代、自分と同じように遊んでいても何故か成績の良い人がいましたが、その人たちは紛れもなく効率良く勉強している人達です。どうせ勉強するなら、効率良く勉強したいですよね!
ここでは効率良く勉強するための記憶の仕方、また勉強にやる気が無くなった時のやる気の出し方をご紹介していきます。
効率の良い記憶の仕方とは
理解を伴った記憶をする
まず、理解をするときは「時間がないから」という理由から丸暗記をしようとせずに、理解することに努めましょう。
理解することにより、流れや理由を把握することができ、情報同士を関連付けることができます。記憶同士が支え合うため、忘れにくくなるのです。
繰り返す
反復して学習すると、記憶が定着しやすいのはご存知でしょうか?
記憶を司っているのは、脳の海馬という部位です。海馬がどのような判断基準で「記憶するか・忘却するか」を選んでいるのかいうと、「生きていく為に必要な情報か・否か」です。
そして、海馬が必要だと判断した情報だけが脳の大脳皮質という部位に送られ、長期的な記憶となります。つまり、長期的に記憶したい情報があるなら、「生きていくために必要な情報だ」と海馬を騙せばいいのです。
「生きていくために必要な情報」と海馬を騙すには、覚えたいことを繰り返し入れることです。「繰り返し入ってくる情報は、生命維持に必要な情報に違いない」と、海馬は判断するのです。
アウトプットしながらインプットする
インプットを完璧にしてからアウトプットに臨もうとする人は主観的に多いと感じています。
でも、数学の公式を知っていたところで、使い方を知らなかったら点を取ることはできません。「覚える事」と「覚えた知識を使えること」は別問題だからです。それを逆手にとって、アウトプットしながらインプットを強固なものにしていけると勉強の効率が上がります。
具体的には、一通りテキストの要点を理解した後、すぐに問題を解きます。この時点では、殆ど問題は解けないと思いますが、それで大丈夫です。問題がわからない場合、すぐに答えを見ながら解法を覚え、それでもわからなかったらテキストに戻り復習します。
このように問題を解きながら覚えることで、解法と覚えるべき要点が定着し、短い時間で多くの知識を定着させることができるようになります。
また、こちらの記事ではそれとは別の「最強のアウトプット法」もご紹介しています。
関連づけて覚える
脳科学では、人間の脳は記憶するときに既に持っている記憶と結び付けながら覚えると言われています。そのため、覚えたい情報を別の情報と関連付けて覚えるということは、脳の記憶の構造から考えても非常に効率が良いといえます。
こちらも参照してみてください。
整理・分類して覚える
以上のようにして覚えたら、その知識が引っ張り出しやすくなるように工夫しましょう。
例えばタンスに衣類をしまう時は、肌着、春から夏・秋から冬にかけての衣類や、オールシーズン着られる服など分類して整理しますよね。そのようにすると、たくさん入っている衣類も、どこに何が入っているのかがわかりやすくなるからです。
勉強において記憶する時も、似ていること、似ているけれど少し違うことなどを関連づけて表にして整理・分類すると、記憶時の負担を軽減できます。
興味を持ってみる
脳には「扁桃体」という部位があります。扁桃体は、「快・不快」や「好き・嫌い」を判断する働きをしています。扁桃体は海馬の隣にあり、「快・不快」や「好き・嫌い」の感情を海馬に伝えます。そして、扁桃体が活性化することにより海馬も一緒に活性化します。
そのため、感情を伴った出来事は長期にわたって記憶に留められることになります。興味や熱意を持って自発的に取り組むことで扁桃体が活性化し、同時に海馬も活性化するので記憶が定着しやすくなるのです。
ところで、ここで1つ疑問が浮かびます。勉強する対象は、必ずしも全て自分にとって興味深く感じるものとは限りません。苦手な科目や不得意な科目をはじめ、さほど興味が湧かない対象であっても覚えなければならないことはありますが、その場合はどうすればよいのでしょうか。
以下でこの時の対処法についてご紹介していきます。
どうしても気分が乗らないとき
誰にでも、どうしても興味が湧きにくい対象があります。例えば文系の方であれば理系科目だったり、計算が好きな方であれば社会科目が苦手でなかなか興味が湧かないけれど、目標達成のために覚えなければならないことがあります。
そんなときは、記憶する量と時間をグッと減らしてみましょう。最初は、「参考書を開くだけでいい!」という気持ちで大丈夫です。
実は脳の真ん中に「側坐核」と呼ばれる器官があり、この器官がやる気スイッチの役割を果たしています。この側坐核が活性化することにより、やる気が出るようになるのです。
そして側坐核が活性化した状態を作り出すためには、最低10分間の継続した脳への刺激が必要と言われています。覚える量も覚える時間も少なくして記憶してみることで、側坐核はだんだん活性化してくるので、まずは10分間を目標に取り組んでみてください。
具体的には、その10分間が終わったら5分の休憩時間を設け、休憩時間が終わった後は再度10分間の記憶作業を行うサイクルを作ります。それを繰り返すと気分が乗ってくるので、自分に負担がかからない範囲で覚える量を少しずつ増やしていくと良いでしょう。
気分が乗らない時の対処法やモチベーションの管理方法については、こちらにも詳しくまとまっています。
(参考)
早稲田大学リポジトリ | 伊藤加寿子 博士論文『ニューラルネットワークを用いた記憶モデルの構築とヒューマノイドロボットへの応用に関する研究』第2章 ヒトの脳・記憶 (PDF)
コメントを残す