塾講師が教える、勉強する時におさえるべき3つのポイントとは?

塾講師

私は大学時代、個別指導塾の講師をしていました。
講師1人に対して生徒が2人いるスタイルで、対象は小学生一年生から高校三年生までの年代が様々な生徒を教えていました。

私自身、中学と大学で受験を乗り越えてきて、社会人になってからも資格試験の為に勉強を日夜続けております。

本人ではない視点から勉強を見るのはとても為になりましたし、アルバイトとは言え受験を前にした生徒に指導するには大きな責任を感じました。

塾講師という経験の中で培った指導方法や勉強方法は、そのまま自身の勉強においても応用できるものでした。
当記事では塾講師の経験で培い、実践して効果的だったものを3つご紹介していきます。

現状の把握(理解漏れの洗い出し)

新しい生徒を前に最初にせねばならぬのは、現状の把握でした。

生徒を受け持ったら最初にテストを通してどれ程授業を理解しているかを測るのですが、これは単純に授業進度を見る目的ではありません
学生の理解には、大きな「理解漏れ」がある可能性が高いためです。

ここでいう理解漏れとは、過去に習った部分や、より基礎的な部分を理解したつもりで先に進んでしまったときに、より前の段階の理解が不足していることで、急に正解が出せなくなって躓いてしまうような状態のことです。

極端な例ですが、二項定理が分からないと言う中学生を教えることがありました。大枠として理解出来ているのに、テストをすると点が伸びないという子でした。

よくよく分析してみると、最近習った部分は頑張って学習しているのですが、九九の理解が頼りなく暗算も非常に苦手という「理解漏れ」があることが分かりました。あとから聞いてみると、小学生の時は全く授業を聞いておらず、中学生になってから勉強を頑張ろうと思ったとの事でした。

理解漏れは大人の学習においてもよく問題になります。

過去の学習内容の理解が曖昧だったために、資格試験の勉強が全く理解できないようなこともありますし、誰かに勧められた本が難しすぎて全く理解できなかったりします。

上手く頭に入ってこない部分があれば一度手を止め、どこが引っ掛かっているのか考え直しましょう。

また、躓きが中学生の範囲であったり小学生の範囲であったりすると、再学習が面倒だと感じる方もいるかもしれません。

しかし、大人になってからの再学習は、当時ほど時間が掛からずにすむはずですし、より有意義なものになるはずです。
きっと「なぜ昔はこれが分からなかったんだ?」なんて、思いながら理解漏れを埋めて、もっと先に進めるはずでしょう。

学習のポイント
躓いたときには手を止めて、どこかに「理解漏れ」がないか考えてみましょう!

スケジュールの作成

次にご紹介するのはスケジューリングについてです。
自身の現状を把握したら、目標から逆算して学習計画を立てます。

学習計画を立てる際に重要なのは、大きなスケジュール小さなスケジュールを立てる事です。

大きなスケジュールとは、数週間あるいは数ヶ月のスパンで、問題集を1冊終わらせるとか、模擬テストで何点を取るとかなどの大まかな指標です。
大きなスケジュール予定より目標に近いもので、モチベーションの維持や、行動と目的の不一致を防ぐ役目があります。

小さなスケジュールとは、数日や一週間単位のスケジュールで、参考書を何ページまで読む、または問題集をここまで進めるといった具合です。
小さなスケジュール予定に近いもので、実際にそのスケジュールに従おうとすることで、継続的に勉強時間を確保するよう習慣づけしていきます。

ただしこれは私の経験上、小さなスケジュールはあまり根を詰めたモノにしない方が良いです。
学生・社会人に限らず急な用事は入ってきますし、体調を崩すこともあります。

自分で立てたスケジュールのせいで毎日毎日予定が遅れてしまっては、それだけでモチベーションが下がってしまいます。
根を詰めずに少し余裕のあるスケジュールを作成することが大切です。

モチベーションの管理

モチベーションはとても大事です。塾講師をしていても、その大事さを痛感する機会はとても多いものでした。

私は過去に、ある勉強嫌いな中学三年生を担当していたことがありました。
「高校に行かずに働く!」「勉強なんて意味がない!」とずっと言っている子で、テストの結果も学習態度も正直良くありませんでした。

しかし、彼は医療に携わりたいという夢を見つけ、看護学科のある大学への付属高校の受験を決めました。それ以降の成績の伸びは目を見張るものがあり、見事合格できたのです!

他にも、自分は落ちこぼれだからと勉強をしてこなかった生徒が、少し成績が上がったことをきっかけにモチベーションが上がり、学習態度が激変したこともありました。
私自身の経験を振り返ってみても、モチベーションというヤツは馬鹿になりません。

私は参考書を読んで理解し辛いと感じたら、一度参考書を閉じます。
頭の中で読んだものを反芻し、理解できてきたと思えたらもう一度読み直します。そうすると、実際にすっと頭の中に入ってくるものです。

これには情報を整理しながら頭に入れること以外にも目的があります。それは脳が参考書を難しいと認識するのを防ぐ為です。

科学的な見地から、人間の脳は嫌いな事を定着させ辛いといわれています。
難しいと認識してしまった参考書を理解しにくいまま読み進めても、モチベーションは下がる一方で、学習効率は落ちてしまいます。

私の場合

私も学生の頃にマクロ経済学が理解しにくかった時期がありました。
その時は公式の学習などを無理に突き進めるのではなく、「何故自分はこれが理解し辛いのか?」という考え方に切り替えました。

そして、目の前の参考書ではなくマクロ経済学そのものの歴史について学習を始めました。

すると、

  • 参考書に登場する経済学者達がそれぞれ生きていた時代が違うこと
  • 私が覚えるのに苦労していた理論には穴があったこと
  • それを補う為に別の理論が作られたこと

が分かりました。
そもそも現状は正しい理論ではないのですから、理解に難があるのも仕方がなく、折り合いを付けて元の参考書に戻る事ができました。

大事なのは「自分にとって不向きなんじゃないか」とか「難しすぎて無理」といったネガティブ思考をしないことです。
あくまでどこかに「理解漏れ」があるせいだと捉えましょう。

今あなたが目の前の問題を理解出来ていない理由は、「難しすぎるから」でも「頭が悪いから」でもありません。
結局「前に学習した内容を一部忘れているか、理解できていなかった」ことが原因に過ぎないのです。

以上が、私が効率よく勉強するために気に掛けている事です。
ぜひご参考になさっていただけると幸いです。

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