日商簿記3級は繰り返しが大事!簿記初心者30名が全員一発合格した時の勉強法

簿記

事務系の職業に限らず、営業や経営者といった多くの方から人気があるのが日商簿記検定。特に3級は初心者向けで取得がしやすく、事務系資格の第一歩として取得を目指す方も多いようです。

しかし数字や計算が苦手な方には、どうしても理解ができずに勉強の手が止まってしまうことも。

筆者は職業訓練校にて日商簿記3級を取得しましたが、簿記初心者の受講生が「全然計算が合わない」「設問が何を聞いてるのか分からない」と頭を抱える姿を何度も目にしてきました。

それでもその講座を受講していた生徒30名は、2ヵ月程度の学習期間で全員が日商簿記3級試験に合格してしまいました。

今回はその時の勉強法だけでなく、なぜこの方法で全員合格できたのかを考察しました。ポイントはとにかく繰り返すこと。それでは詳しく紹介します!

日商簿記3級とは

日商簿記3級の試験概要

日商簿記には以下の種類があります。

  • 日商簿記1級
  • 日商簿記2級
  • 日商簿記3級
  • 簿記初級
  • 原価計算初級

以前は日商簿記4級がありましたが、日商簿記初級が平成29年4月に創設されたことにより終了しました。

日商簿記検定3級の試験は、6月・11月・2月と、年に3回開催されます。試験科目は商業簿記のみで、合格基準は70点以上です。簡単な帳簿の作成が可能となるため、中小企業や商店での経理事務で役立つ知識が身につきます。

日商簿記3級は毎回10万人程度の人が合格するため、アピールポイントとしては少々弱くなりがちです。しかし簿記の学習をして決算書などの読み方を理解すると、たとえば「この企業は利益が少ないけど、賞与として社員に還元しているから金銭的に余裕のある企業だ」といったことまで知ることができます。

事務職希望者はもちろんのこと、経営や営業を目指す方にも取得を目指してほしい資格といえます。

日商簿記3級 勉強法1. テキスト&問題集を3回繰り返す

用意するもの

実際の勉強方法について紹介します。まずはテキストと問題集を準備しましょう。おすすめ書籍はTAC社のテキストと問題集です。

資格学校としても有名なTAC社が作っており、内容が詳しくまとまっていてとても分かりやすいです。

解法も細かく記載されているため、自主学習時にありがちな「テキストを読んでも理解できない」事態を防いでくれます。

最終的には過去問をやりこむことが重要となるので、ここで選ぶテキストは書店にあるものでしたらなんでも構いません。実際に大きめの書店へ行き、中身を見て相性のいいものを選ぶといいでしょう。

この勉強法のやり方

この勉強法の手順は以下の通りです。

  1.  1単元ずつテキストを読む
  2.  1単元読み終えたら、その単元の問題集に挑戦する
  3.  1と2を繰り返し、10日程度でテキスト&問題集を終わらせる
  4.  同様の手順を繰り返し、テキスト&問題集を合計3周する
この勉強法の最大のポイントは、分からなくても飛ばして次へ進むことです。
1ヵ月半を目安にテキスト&問題集を合計3周繰り返しましょう。

メリット1. 手を止めずに全ての単元を網羅できる

この勉強法の1つ目のメリットは、分からないことがあっても手を止めずに進められることです。

資格学習の失敗でありがちなのが、分からないところで止まってしまい、先に進めなくなってしまうこと。

しかし資格取得のための勉強の最終目標は「試験問題が解けるようになること」です。そのため、いかに早くすべての単元に記載されている内容を網羅できるかが重要となります。

メリット2. 試験合格に必要な知識を中心に得られる

この勉強法で簿記3級の内容を網羅してしまえば、早く過去問に挑戦して資格合格に必要な知識を学ぶ段階に進むことができます。

簿記3級の小切手の処理を例に挙げてみましょう。

小切手は自社発行小切手を振り出す場合は「当座預金」で処理をし、他社発行小切手を受け取る場合は「現金」で処理をします。

同じ小切手なのに処理の際の勘定科目が異なる点が混乱を招くポイントですが、実は試験自体は「自分が渡した小切手は『当座預金』、受け取ったら『現金』で処理」と覚えておけば、解けてしまいます。

このように試験問題を解く上では、必ずしもそれぞれの勘定科目の特性を100%理解する必要はないのです

また、意外と多いのが他の単元を学んだ時に、芋づる式に前回理解できなかったことが急に理解できることです。筆者もこの小切手の処理は過去問を繰り返し解いている段階でようやく理解できました。

もし分からないところがあっても不安にならず、思い切って飛ばして次に進んでしまいましょう。

日商簿記3級勉強法2. 過去3年分の過去問題集を3回以上繰り返す

用意するもの

テキストと問題集を3周出来たら、いよいよ実践編です。できるだけ多くの過去問題集を解きましょう。
おすすめは多くの過去問題集が収録されている書籍です。

「合格するための過去問題集 日商簿記3級 ’19年11月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ) 」
こちらは過去4年12回分の過去問が収録されています。

試験前に予想問題に取り組むべきとの意見もありますが、初めて見る問題を時間通りに解答できればシミュレーションとしては問題がないと考えます。

そのため、できるだけ多くの問題数が収録された過去問題集を選び、2~3問は直前対策用に残しておけば1冊で対応できるのでおすすめです。

この勉強法のやり方

この勉強法の手順は以下の通りです。

  1.  1回分の過去問を解き、答え合わせをする
  2.  理解ができない部分だけ、テキストに戻って確認する
  3.  1, 2を繰り返して、3年分の過去問を3周以上解く

メリット1. 出題パターンに慣れることができる

簿記3級の試験問題は以下のパターンが決まっています。

  • 第1問は仕訳問題(20点)
  • 第3問は試算表作成(30点)
  • 第5問は精算表作成(30点)
ちなみに第2問と第4問は帳簿や伝票等を作成する問題が多く出題されます。

ここで注目したいのが、第1問・第3問・第5問の合計が80点になることです。
日商簿記3級の試験は70点で合格のため、極端な話ですがこの3つが完璧に解ければ第2問・第4問が0点でも合格できます。

第1問・第3問・第5問を確実に解くためのペース配分に慣れておくことで、試験当日も確実に問題を解きすすめることができます。

メリット2. 過去問と全く同じ問題が出題されることもある

過去問題を何度か解いたことがある方なら気付いているかもしれませんが、日商簿記3級の試験は過去問と一字一句違わない問題がまれに出題されます。

特に仕訳問題に多いのですが、まったく同じ問題が出題されればとてもラッキーです。さっさと覚えている解答を書き、他の設問に費やす時間を増やしましょう。

まとめ

簿記初心者30名が、日商簿記検定3級に全員一発合格した時の勉強法について紹介しました。

いろいろと細かく紹介しましたが、日商簿記検定3級合格のカギは以下の通りです。

  • とにかく繰り返しテキストや過去問に取り掛かること
  • 過去問のパターンを覚えること
  • 本試験で落ち着いて設問を解くこと
日商簿記3級は比較的取得しやすい資格なので、ぜひこの方法を活用して合格を目指しましょう。

そして簿記という分野に興味が出てきたら、2級・1級とステップアップを目指して行ってくださいね。

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